ダイアグノシスを始めた訳②

2020/04/16

当時、とあるコンサルタントがマンションの老朽化対策に関するセミナー活動を行っており、自分も以前の勤め先からの縁で、会の発展に必要であろう人物を紹介するなど、意欲的に関与していた。その定例セミナーでのこと、マンション会計の問題点をテーマとした講演において、講師自らマンションの決算情報から収支項目を分析し、各組合の財務に関して平均対比化したレポートを作成していた。項目の分類に関してはごく大まかな仕訳に過ぎなかったが、これをブラッシュアップして各費目を細分化し、組合が自ら改善に役立てられるものを作れば、必ず社会的ニーズを充たせると確信した自分は、早速講師に声をかけ、マンション運営に関する診断レポート案を共同で作成する作業に取り掛かった。そう、今のダイアグノシスの原型が産まれた瞬間であった。

勤務先の将来性や方向性の違いから会社を辞めた自分は、レポート案作りに没入した。頻繁にディスカッションを重ね、真に世の為になるであろうレポート案を作った。まずはマンション全体の状況を俯瞰できるフロントマンの出自を活かして、管理組合・理事会やフロントマンが使いやすい、マンション運営全般を診断・サポートする仕組み作りを構成の基本とした。管理組合の問題とは、突き詰めればお金と運営面が主となる。よって診断内容も、収支と事業を柱とする事を決めた。次に取り掛かったのは、収支の平均値を出すためのデータ収集。統計的に説得力があるデータ母数を得るために多くの方の協力を得て、まずは1,000のデータを収集する事に成功した。

数カ月後、最初のプロトタイプとなる診断レポートが出来た我々は、先のセミナー主催者に声をかけ、プレゼンテーションをする機会を得た。しかし聴衆の反応は、自分たちの思いとは違って少々物足りないものであった。 何かが足りない。何かが足りないが故に社会的ニーズを充たせないのならこのレポートは意味がない。その足りない何か探しが始まった。