ダイアグノシスを始めた訳

2019/12/23

フロントマンをしていると、時折管理組合から管理委託費に対し値下げ交渉依頼が来る。ある物件では、自分が管理組合の未来を案じて、修繕積立金の値上げも止む無しといった提案をすると、「それは分かった。でも管理会社にも痛みを分かち合って欲しい」と。気持ちは分かるが、それとこれとは別じゃないか? といった思いが頭をよぎる。それに組合の未来を心配しての提案なのに、なんでこちらにとばっちりが来るのか今ひとつ腑に落ちない。自分は、普段から組合に対して、管理委託費の正当性を主張するべく、契約事項の見直しだけでなく、収入を増やし、支出を減らす提案をしてきたつもりだ。そのベネフィットに対する評価をせずに、痛みの分かち合いは納得できない。会社に戻り上司に相談すると、どうやら値下げの方向で動くらしい。金額に対してサービス内容が低いのなら仕方ないと思うが、委託費以上のサービスを提供してきたつもりの自分としては、自分の提案や仕事を低く見積もられた様で、やはり腑に落ちない。でも仕方ない、これが組織人というものだ。そう言い聞かせる自分がいた。

自分がフロントマンだった時代には、こういった値下げ交渉は頻繁にあった。また、管理委託費以外の支出項目の中で、明らかに相場以上の項目が散見される組合もあった。他のスタッフから自分が担当を引き継いだ後には、特にこういった節約の余地ある項目が多く見受けられた。節約のノウハウは会社である程度共有されているものの、フロントマンのやる気や能力、また管理組合のどこか他人事な雰囲気からか、改善の提案がないままの物件もしばしば見られたように思う。こういう経験をしながら、なぜマンション管理の世界にはクラス平均値のようなデータが無く、客観的な比較が出来ないのだろうかと、ふと疑問に思った。そういったデータや比較をする仕組みがあれば、管理組合は常に適価を求めて議論、検討が出来るし、企業努力をしている管理会社も根拠のない値下げ交渉から解放されるだろう、と。そう思った時、ふと一人の人物が頭をよぎった。