マンション適正化診断サービスについて

2020/04/24

マンション管理新聞2020年1月15日号に《マンション適正化診断サービス》について記事が掲載された。このマンション管理新聞というのはマンション管理業界における業界紙の地位を確立しており、業界に対しては一定以上のプレゼンスを持っていると言えるだろう。主な購読層はマンション管理会社や工事会社、また管理組合向けの商材を扱っている会社だ。稀に情報収集に余念のない管理組合が購読しているケースもみられるが、基本的には業界向けの新聞だ。

《マンション適正化診断サービス》は一般社団法人日本マンション管理士連合会(日管連)が企画しており、今回はそれについて書いてみたいと思う。

まずは、マンション管理運営における診断というものが世に出てくる流れそのものは、素直に喜びたいと思う。少し前までは、マンションにおける診断≒大規模修繕工事の実施を前提とした建物劣化診断であった事は業界に身を置く者としては常識だったと思う。もちろん、ハード面における診断、評価は大切であるがそれが全てではない。その状況の中からソフト面に着目した事は正しい流れだと思うが、診断というからには評価と評価の基準及び目的が明確化されているべきだ。

診断項目の概要を見る限りでは、大項目として《運営状況》が来ている事は評価できる。ただ、その後の項目としては小項目に来るべきである個別の確認事項が続く。漏水事故の実態と改善見込を把握するために給・排水管の状況を把握するのは非常に大切なポイントだが、あくまで小項目で扱うべきポイントだ。

大前提として、人が運営する組織、即ち会社や行政、社団法人、はたまたマンション管理組合であろうとも、基本として抑えるべき事柄は、《運営計画・執行》《収支予算・執行》《人事》《規則》。この4つの要素は欠かせないだろう。その点で行くと《マンション適正化診断サービス》は、ソフト面の診断のスタートとしてはまずまずと言えるが、特に《収支予算・執行》についての評価項目が無いのが惜しいと言える。《お金》の評価、診断無くしてどうやって正しく計画を立て執行できるのであろうか。そもそものスタートが保険会社によるリスク評価シートを目的としている事からやむを得ないとも言えるが、今後の診断の発展性に期待したいと思う。