駆け出しのマンション管理士でも顧問先を増やす事が出来る ダイアグノシスを始めた訳④

2020/04/18

レポートの社会的ニーズを、別の視点からも考えてみる。管理組合が解消したい課題や心配事を見える化し、同時に解決の道筋をつける事は、管理組合だけでなく、マンション管理士等にも役立つ結果になるだろう。

今から20年ほど前にマンション管理適正化法に基づき、マンション管理士という国家資格が創設された。同時に管理業務主任者という国家資格も出来たが、こちらは管理業者の必置資格となり、管理業者の規制を目的とする資格。事務所(受託件数)毎に設置義務が課され、契約時における重要事項説明が独占業務とされた。翻ってマンション管理士は管理組合へのコンサルタント資格であり、合格する事によりコンサルティングに必要な《知識》は充たせるといった資格である。しかしながらマンション管理の現場は知識で正解を見つける能力で解決といった単純なものではなく、あくまで生身の人間が暮らす事によるトラブルや、運営面の様々なケースを総合的に判断した上でベターな回答を見つけ、所謂落としどころを探すのが大切なスキルといえる。マンション管理士はその合格率から難関資格と言われるが、一方でマンション管理組合に揉まれる経験が無ければコンサルタントとしての経験や実力を積むことが出来ないジレンマがあり、合格者の多くは折角の難関試験突破実績を活かすことなく、箪笥の肥やし状態になっているのが現状だ。

職業マンション管理士として活動するためにはどのような条件が必要なのだろうか。知識なのか経験なのか、営業力なのか。顧問先を増やすためには営業努力が必要なのは言うまでもない。管理士会に所属したり、行政の相談窓口をきっかけとした案件を取る努力も必要だろう。しかし、相談に乗ってみたところで実地経験が無ければいくら有資格者といえども、管理組合から頼りにされる事は稀だ。少々の面談や相談窓口の相手をしたところでマンション管理士としての腕前(業務品質)を示す事が出来る訳ではないからだ。

ならば、実地の感覚を色濃く残したデータであればどうか。生きた数値の積み重ねに触れ、付随する分析や改善策と繰り返し照らし合わせることで、スキル向上の一端を掴むことができるのではないか。管理組合の立場からしても、自分たちの保管するデータの取り扱いに強い有資格者となれば、お墨付きをくれる存在として願ったりかなったりに違いない。 レポートの方向性は決まった。世にある無数のマンション問題を解決するためには、眠っているマンション管理士達の力が必要だ。その人たちが使いやすい、課題と解決策を一目瞭然としたレポート作りが始まった。